彼女がいない日常なんて考えられない。
考えたこともなかった。
怖い、恐くてしょうがない。
二十歳のころに大きな失恋をして、その時にもう本気で人を好きなることをやめようと決心した。
たくさんの傷みを知って大人になっていくのだろうけど、我が身の可愛さ、自分が傷つくことだけを恐れて、心の成長を止めてしまった。
次は絶対に失くさないように頑張らなきゃいけないのに、僕は成長することを止め、学ぶことを止めてしまっていた。
20年のもの間、あまりにも愚かだった。
だけど、そんな過去の決心が見えなくなるほどに、瞬く間に彼女を好きになっていた。
自分が子どものままだということも忘れて。
そして馬鹿な僕は繰り返してしまう。
僕が頑張らなければならなかったのに、失くさないように必死になって、彼女をつかまえておかなければならなかったのに。
彼女が辛いときにちゃんと支えてあげなければならなかったのに。
ちゃんと想いを言葉で伝えて、想いを行動で示して、その手をちゃんと掴んでおかなければならなかったのに。
失う傷みを知っていたはずなのに。
何をそんなに悠長に構えていたのだろう。
馬鹿で臆病者で愚か者である僕が何を偉そうに?
何を格好つけて?
未熟者のくせに。
何故そんなにも人任せだったのだろう。
僕は知っていたはずなのに。
僕はこんなにも愚かなのか。
僕はこんなにも馬鹿なのか。
こんな自分を呪うことしかできない。
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