ここは出口なのか?
気分が軽い。
頭が冴えている。
後ろを向いたままだが、前に進もうとしている。
溶け始めた。
また、心を失くして生きていく準備が始まっている。
僕は変わることはない。
また、逃げる準備を始めている。
それでいい。
それが唯一の生き延び方だ。
また僕の手を引いてくれ。
今度は最後まで離さないでいてくれ。
上手には生きられない僕の手をずっと掴んでいて。
もう目隠しを取らないで。
光など見せないでほしい。
希望など与えないでほしい。
そのまま手を引いて。
手を離さないで。
上手にやれないんだ。
上手に生きていくことができない人もいるんだ。
僕は笑っているよ。
ちゃんと心の底から笑うことができるよ。
悲観することではない。
あるべきものが、あるべき場所に戻っただけ。
少しだけ、はみ出してしまった。
少しだけ、自分を忘れてしまっていた。
少しだけ、甘えたかったんだ。
少しだけ、弱音を吐いてしまったんだ。
少しだけ、考えてしまったんだ。
少しだけ、疑問を感じてしまった。
深い海の底から、空を自由に飛ぶ鳥に憧れてしまったんだ。
もっと近くで見たいと、水面を目指し浮上をしようしたときに減圧症を引き起こした。
生き物にはそれぞれ生きていくための適正な場所がある。
人も例外ではない。
すでにその場所に特化してしまった身体は心は、他の場所では息苦しいものだけにしかならない。
他の場所では何の役にも立たない。
また、手を引いて、僕があるべきところへ。
光など届かないとても深い海の底へ。
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