大丈夫。
何が?
何が大丈夫なの?
大丈夫。
どうして?
どうして大丈夫なの?
「私は大丈夫。」
そんなわけがない。
大丈夫なわけがない。
それなら何故泣いているの?
どうして毎晩泣いているの?
君は噓をつく。
僕は嘘だと知っていた。
だけど慰めることができなかった。
爛れた手で触れてはいけない。
腫れた脚では君のもとに歩めない。
誤魔化していた。
僕も嘘をついていたんだ。
戸惑っていたんだ。
相応しい言葉が見つからず、相応しい行動がわからず、どうしたらいいかわからなかったんだ。
自分を蔑むことで解決をしようとしていた。
護り方を知らなかったんだ。
僕は戸惑ってしまっていたんだ。
ごめんね。
言い訳ばかりをして。
君のせいにして。
救ってあげられなくて。
優しい言葉も掛けてあげられなくて。
支えられなくて。
君はつらい思いをしていたのに。
ごめん。
許してもらおうとは思ってはいない。
だけど君にもう一度だけ会ってちゃんと伝えたいんだ。
「今までのこと全部ごめん。」
「僕と出逢ってくれてありがとう。」
「本当に君が大好きだよ。」
「大丈夫。」
「もう君は大丈夫。」
「君はこれから幸せになれるよ。」
もう君は泣かなくていいんだ。
嘘をつかなくていいんだ。
もう不安な夜もなくなる。
もう何も怯えないで。
君はちゃんと幸せになれるんだよ。
幸せになる権利があるんだよ。
僕たちが生きているのは過去なんかじゃない。
未来だけ見てればいいんだよ。
もう君を非難する奴も君を攻める奴もいない。
安心して眠ってくれていいんだ。
卑屈や皮肉なんかじゃないよ。
強がりでも当てつけでもないよ。
もう君の幸せに満ちた笑顔を見ることができないけど、時間とともにもっと美しく変わっていく君を見ることができないけど。
君の幸せこそが僕の幸せだってわかったんだ。
僕は君に恋をしているのではなかったんだ。
僕は君を愛しているんだ。
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